ペペロン頭脳

ソフトウェアエンジニアのメモ的なアレ。

いまさらだけどYAPC::Asia Tokyo 2015ショートレポート #yapcasia


4日前に感想エントリ集めが終了してたようだが気にしない。

あの熱狂から3週間も経ってしまった。
盛り上がりを見せる開発案件を視界の端に追いやり、先輩をひとりでハードな客先MTGに旅立たせつつ(ホントすみませんでした)、自分は年休をとり国際展示場方面へ出陣したあの夏の日。
翌週からは気温も下がり秋の気配漂い始め、僕のブログ熱もサゲサゲになると同時に本職の稼働がピークに達し職場とベッドを往復する日々でしたなどという言い訳をしつつも、やっぱり記録することは大事よねと呟いてこのエントリをもって懺悔にかえさせていただきます。

なお僕はPerlを1行も書いたことがないということを最初に宣言しておく。

1日目 8/21(Fri)

Effective ES6 - Teppei Sato

僕は朝に弱い。しかも久々の年休だ。眠りたい。ということでノコノコとセッション開始時間ギリギリに会場に到着。
そしたらまあ人気セッションでして激混みなわけよ。スタッフの計らいで通路にも立ち見・座り見させてもらえたのでなんとか潜り込み聴講開始。
趣旨としては、class構文をはじめ多数の機能が盛り込まれつつあるES6ちゃんを実務でも使いましょうよというお話。現時点でもBabel使ってバベっちゃえばいいじゃない!という提案を添えて。
ES5時代に必要だった数々の「工夫」をしなくて良くなるのが大いに魅力的だなーと思ったけど、堅めのエンタープライズで使うにはもうちょっと枯れてからかな・・・という感想です。
いま現在JSライブラリ開発案件やってるので、正直飛びつきたいけどお客さんとこに出るソースだし独断で突っ走れない事情があるので。お仕事ではES5時代の「ノウハウ」を駆使し続けるか、という感じ。http://www.slideshare.net/teppeis/effective-es6

TBD - Yukihiro "Matz" Matsumoto

日本が誇るRubyの父、Matz。
僕にとって生Matzは始めての体験であったので、それだけで興奮ポイントは高かったけど内容も非常に興味深かった。
まず本番でもタイトルがTBDのままというお茶目っぷりが笑いを誘っており、そこから近年のハードウェアの進化やらRubyの反省点などにあっちこっち話題が飛びつつ、「ああ~ 第一線のITエンジニアはなに話してても面白いんじゃー」とか呆けてたらいつの間にかすべてが新言語Streemの伏線として回収されて壮大なカタルシスを味わえるっていういまここにある奇跡みたいな。
技術力だけでなく、トーク力も第一級。サンキューMatz。www.youtube.com

うっかりをなくす技術 - karupanerura

発表者自身がうっかりMacの電源アダプタを忘れて電池残量ピンチ!という事件が印象的なセッション。
なお僕自身もTシャツ付きチケット買ったのにサイズ選択の手続きしてなくてTシャツもらえない、っていううっかりを犯してるので非常に気になるセッションでありましたが、どっちかっていうと実装レベルに近い話が多かった。
安全工学に触れつつ、主にコーディング上のうっかり(null値チェック漏れなど)をどう防ぐか?などのテクニックについてが中心でしたね。
https://www.slideshare.net/karupanerura/technology-for-reduce-of-mistakes

そして帰社

アイエエエ!?」「帰社!?休み取ったのに帰社ナンデ!?」「コワイ!」
LTとその後の懇親会も出れるなら出たかったよ。でも社畜だから、私もう行くね。

2日目 8/22(Sat)

どうしてこうなった? Node.jsとio.jsの分裂と統合の行方。これからどう進化していくのか? - Yosuke FURUKAWA

仲間割れのスキャンダラスな話…ではなく、なんのための分岐だったのか&未来についてNodeの歴史を絡めて懇切丁寧に解説していただいた。
すでに実験的フェーズは終わり、長期サポート計画もあるプロダクトへと育っています。エンタープライズでもバリバリ使えるこれからのNode先生にご期待ください!とか言ってる隙に先日v4.0.0出たよね。いきなりバージョン番号がジャンプしたワケもよくわかったので、やっててよかったYAPC式。
https://speakerdeck.com/yosuke_furukawa/dousitekounatuta-node-dot-jstoio-dot-jsfalsefen-lie-totong-he-falsexing-fang-korekaradoujin-hua-siteikufalseka

実はホットでオープンな Microsoft Azure - Tatsuro Hisamori

僕はSIer勤めです。SIerではなんだかんだWindowsですよ(Macも使うけど)。PCもサーバーもWindowsなドザーなら気になる話題だよね、Azure。とか思ってたけど、実はLinuxでも使えますからねって最初のほうで言われました。AWSに比べて注目度は低い(当社調べ)ながらもオープンかつ凄まじいスピードで成長中!
想像以上に機能が膨大だったとか驚きポイントは数々ありましたけど、本題とはちょっとズレますけど、データセンターの規模とハードウェアメンテナンスの富豪っぷりが一番の衝撃でした。
なんかサーバーを満載したコンテナ(物理的な)単位でDCに納入→故障マシンは放置し、一定割合を超えたらコンテナごと交換だそうです。ちなみにリージョン一つで一般的なDC16個分の規模。AmazonGoogleはどういう運用してるか知らないけど、やっぱMSスゲー!っていう感想です(小並感)。
あとQiitaにサンプルあるからどんどん触って!とかクラウドで動いてる環境をオンプレに持ってこれる!とかSIフレンドリーな話もありました。
あと笑いポイントとしてはプレゼン中にパワポが「動作を停止」するってハプニングがありましたね。Win98のお披露目事件がフラッシュバックした。
https://docs.com/hisamori-tatsur/7486/discover-the-microsoft-azure

Adventures in Refactoring - Ben Lavender

GitHubの中の人によるリファクタリング術の解説(英語)。内容もさることながら同時通訳者のスピードと正確さに驚嘆。同時通訳初体験だったけどすごいですねプロは。
要約すると、コードは小さく保つのが正義。行数の増えるリファクタリングは悪。そして何より測定、測定だそうです。
(レポートの内容が薄いのは筆者の技術・知識レベルが低いためであり、登壇者のトーク内容にはなんら問題はございません。涙。)

サンタクロースを支えるIT技術 - Masayuki Ishikawa

技術的なトークから離れ、ちょっと気になるタイトルのトークへ足を運んだ。ボランティア活動にIT技術者として貢献する、というお話(http://www.charity-santa.com/)。
ITエンジニアの勤務外活動といえば勉強会やセミナー!みたいな固定観念があったけど、ダイレクトに基底現実に貢献できる活動って色々あるんだなってのが新鮮でござった。
http://www.slideshare.net/mishikawa55/it-mishikawa-yapcasia

オープンソースエンジニアのための Windows入門 - tsubasa

いままで*nix一筋でやってきた人たちに、主に「*nixでのこの機能はWindowsではこれ」と紹介するセッション・・・という趣旨ではあったのだが、僕含め大半がWindows経験者という感じでした。
今後のWindowsはオープンソースの見方!?改めて学ぶオープンソースのためのWindows入門!! #yapcasia #yapcasiaC - Togetterまとめ

Lightning Talks (day 2)

直前までトーク聞いてたので既に会場満杯だったけどなんとか入れたぜLTセッション!
多種多様なトークで盛り上がったけど、個人的には「MySQL5.7の罠があなたを狙っている」「コミュ力あげてこ」「CONBUさんの無線AP超速設営・撤収」が勢い・内容ともに強烈でした。
技術者兼IT芸人な方々のトークには、要素技術について詳しく知らなくても楽しませる力があるよね。

www.slideshare.net
www.youtube.com

そして閉会

僕はPerlを書いたことはないし、そもそもWebな人でもないし、オープンソースエンジニアでもない。
けれどもYAPC::Asiaの懐は深かった。こんな僕でも暖かく迎えてくれた。新たな知見を、熱気を、未来への希望を与えてくれた。
東京では今年で最後らしいからってだけの軽い気持ちだったけど、チケット買っといて本当によかった。
だいぶ時間が経ってしまいましたが、スタッフの皆様、登壇者の皆様、本当にありがとうございました!